研究課題/領域番号 |
17570197
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
金澤 英作 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050648)
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研究分担者 |
佐竹 隆 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (50130513)
佐々木 佳世子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80190114)
五十嵐 由里子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60277473)
松野 昌展 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10297848)
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キーワード | 中国 / 少数民族 / 歯の形質 / 人類学 |
研究概要 |
本年度は実地調査については中国側の受け入れ態勢が整わないため実施を見送った。したがって本年度の研究は主にこれまでのデータの解析となった。 1.実地調査中止に至る経緯 これまでの現地調査を手伝ってくれた、吉学平氏が今後の調査の協力者として、雲南大学の馬京教授を紹介してくれた。教授とはメールで通信していたが、2月の調査ついては時間的な問題で実施が不可能となった。したがって本年度はこれまで採集した試料の中から、ナシ族とプミ族についての解析を行った。 2.ナシ族のノンメトリック形質の研究 調査された22形質のうち、ナシ族は切歯のダブルシャベルや下顎大臼歯のプロトスタイリッドなど型が少ない一方で、切歯のシャベル型や犬歯の近心隆線などが多いという特徴を持っていた。他の29集団との比較を2次元座標上の散布図で行うと、ナシ族は第1軸上でスンダドントの分布域に属するものの、その中ではシノドントに近いところに位置することが判明した。第2軸を見るとハニ族やダイ族よりも下方に位置していたが、他の29集団のほぼ中央に位置していた。この結果はナシ族が基本的にはハニ族やダイ族と同じくシノドントとスンダドントの中間的形質をもちつつも、それら2つの民族とは細部において異なることを示している。 3.プミ族のノンメトリック形質の研究 調査された22の歯形質のうち、プミ族は切歯のダブルシャベルや上顎犬歯の遠心副隆線など型が少ない一方で、切歯のシャベル型やカラベリ結節などが多いという特徴を持っていた。他の30集団との比較を2次元座標上の散布図で行うと、プミ族は第1軸上でスンダドントの分布域に属するものの、その中ではシノドントに近いところに位置することが判明した。第2軸を見るとハニ族やダイ族、ナシ族とともに他の30集団よりも下方に位置してひとつのまとまった集団を形成していた。
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