研究課題/領域番号 |
17580005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中崎 鉄也 京都大学, 農学研究科, 講師 (60217693)
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研究分担者 |
谷坂 隆俊 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026591)
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90152438)
堀端 章 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70258060)
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キーワード | mPing / トランスポゾン / Rurmlシステム / イネ / 突然変異系統IM294 |
研究概要 |
イネ突然変異系統IM294では活性型トランスポゾンmPingの転移活性が原品種銀坊主よりもはるかに高い。IM294はRurml座に関する1遺伝子劣性突然変異系統であることから、IM294の高いmPing転移活性にはRurml遺伝子の破壊が関与している可能性が高い。本研究は、Rurml遺伝子産物が関与するイネRURM1タンパク質結合システム(Rurm1システム)の全容を解明するために、Rurml遺伝子の機能消失によって生じる変化を解析し、mPingの転移誘発機構を明らかにするための端緒を得ようとするものである。 昨年度までに、Rurmlの機能喪失がmPingの転移頻度に与える影響についてトランスポゾンディスプレイ法を用いて網羅的な解析を行い、Rurmlの機能喪失はmPingの転移頻度を高める原因の一つであることが明らかになったが、さらに別の非自律性トランスポゾンであるnDartに対してもその転移活性を高める効果のあることが示唆された。また、昨年度までに、大腸菌組換え体タンパク質発現系を用いて高純度の非変性RURM1タンパク質を精製することに成功し、特異性の高い抗RURM1抗体を作成した。本年度は、それを用いて、組織内局在性や結合タンパク質の同定を試みたが、細胞内の生成量が極めて少ないためか、いずれも所期の目的は達成するには至らなかった。しかし、イネのTOR(target of rapamycin)遺伝子を同定して、その発現解析を行い、RURM1が関与するタンパク質結合システム(ウルミレーション)が、細胞分裂に関与する可能性を検証することができた。
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