研究課題
基盤研究(C)
サギソウからはBクラス遺伝子のうちDEF-like遺伝子1つ(HrDEF)、GLO-like遺伝子2つ(HrGL01、HrGL02)が単離された。サギソウの野生型を用い、これらの外花被片、内花被片、蕊柱(雄ずいと雌ずいが融合した器官)からそれぞれ全RNAを単離し、ノーザンハイブリダイゼイション法とRT-PCR法を用いて花の各器官におけるBクラス遺伝子の発現解析を行った結果、2つのGLO-like遺伝子はともに外花被片、内花被片、蕊柱で発現がみられたが、DEF-like遺伝子は内花被片、蕊柱で発現がみられたが、外花被片では発現が見られなかった。一方、サギソウの唇弁形成変異体(品種‘飛翔')を用いて同様の解析を行った結果、GLO-like遺伝子もDEF-like遺伝子も、外花被片、内花被片、蕊柱で発現が見られた。このことから、サギソウの花弁状花被の形成およびがく片と花弁の分化にはDEF-like遺伝子の発現が関与していることが明らかとなった。本研究成果については国際誌Plant Scienceに投稿し、受理された。また‘飛翔'における変異の遺伝的背景を明らかにするため、野生型‘銀河'と変異体‘飛翔'を交配し、F1雑種後代の種子を得ることに成功した。ラン科植物の種子は無菌的に発芽させる必要があるため、この雑種後代種子をMS培地およびハイポネクス培地の固形培地に無菌播種し、プラントボックス内で培養した結果、多くの雑種後代が発芽した。平成18年3月現在個体は1-2cmまで成長しているが、開花までには至っておらず、平成20年の夏に開花予定である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (4件)
Plant Science 172巻・2号
ページ: 319-326
TSW Development & Embryology 2巻
ページ: 17-28
Plant Science Vol.172, No.2.
TSW Development & Embryology Vol.2.