研究課題/領域番号 |
17580034
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00181652)
|
研究分担者 |
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50179016)
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (00326282)
|
キーワード | アーバンフリンジ / 農空間 / ルーラルプランニング / ランドスケープ / マネージメント / 景観計画 / GIS / 住民参加 |
研究概要 |
大都市近郊部の農空間の保全に向けて、地域住民が主体となって展開しているまちづくり活動に自治体と本研究クループが参画し、農空間づくりプランの策定から住民合意形成に向けた社会実験を実施し、プロセスを検証した。以上に加えて過年度の地域レベルでの研究成果も踏まえて、大都市近郊部の農空間保全に向けたランドスケープマネージメントシステムの構築に向けた課題と今後の方向性を探り、そのプランニング手法の提示を試みた。 地区レベルでの住民合意形成プロセスは、「計画づくり」、「組織づくり」、「人づくり」というまちづくり活動の主たる行動目的から把握し、まちづくり活動の発展要因を解明した。以上のことから、まちづくり活動の各段階の末期には「移行期」が出現し、この「移行期」を経て次の段階に発展していること、まちづくり活動を発展させるためには各まちづくり段階に応じた適切な「組織づくり」を行うことや専門的知識の獲得が重要となること、これらに加えて外部機関との連携を図ることが重要であることが明らかとなった。 大都市近郊部の農空間の保全に向けたランドスケープマネージメントシステムの構築に向けて、行政施策等の地域レベルというマクロレベルの対応だけでは不可能であり、町会単位程度の地区レベルでの取り組みが重要であることが明らかとなった。地区レベルでの取り組みでは、まず地域の内在的な力を高めることが必要となり、そのためには地域課題を地域で共有し、共有した課題を解決するための理念や土地利用ビジョンを策定し、実行段階へと繋げていくことが求められる。また、住民合意形成を促すためのまちづくり活動を発展させるためには、各まちづくり段階で地域の実情に応じた組織づくりと住民組織の専門的知識の獲得が重要となる。一方で、地域の内在的な力だけでは課題解決が困難なことから、行政や大学の参画により行政支援や技術支援をするなど外部からの支援が重要となることが明らかとなった。
|