研究概要 |
インドネシアでBanana streak disease(BSD)様症状を示す2株の食用バナナについて全長DNAを増幅するlong-PCR法とnested-PCR法を行った。さらに,両ウイルスから得たDNA断片をプローブとし,サザンハイブリダイゼーションを行った結果,両株には,BSMyVが感染していることが明らかになった。同国の食用バナナIBo01株は,抗BSV抗体に強い陽性反応を示し、Badnavirus属共通プライマーによるPCR法で得た1クローンの挿入配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーションで,Badnavirus属ウイルスDNAを検出することが可能であった。この挿入配列(約600bp)はBSV-Im系統と高い相同性(約99%)を示した。 また、アジア各国のバナナについて検討したところ、日本産品種シマ(AAB/ABB?)とイトバショウ(M.balbisiana var.liukiuensis)、インドネシア産バナナではcv.Klutuk Susu(ABB),cv.Raja Bandung(AAB),cv.Raja Polo(AAB),cv.Raja Trunpong(AAB),cv.Tanduk Hijau(AAB)の他,ゲノムグループが不明な5品種から、フィリピン産バナナではBゲノムを持つcv.Cardaba(BBB)から、ベトナム産バナナでは,Bゲノムを持つ3品種とゲノムグループが不明な1品種から,ミャンマー産バナナでは5品種からBEV-BSOLVが検出された。アジアのバナナにおけるBEVの存在を詳細に明らかにし、またBゲノムとの連関についても確認した。 これらの結果の一部は、Detection of banana endogenous viruses and banana streak virus from bananas in Japan and Indonesia(IUMS 2006,USA)などで報告した。
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