研究概要 |
1.PBV粒子の探索(コナカイガラムシからのPBVの検出) パイナップルには、バドナウイルスの1種であるPineapple bacilliform virus (PBV)が感染する。無病ジャガイモ上で飼育したミカンコナカイガラムシを,ウイルス病様の病徴が認められた台湾産パイナップル苗12Na-2上で1週間飼育し,十分に吸汁させた。それらから抽出したDNA溶液はPBV特異的プライマー(Thomsonら、1996;PBVI:5'GTTTACACCAAAGGAGTGGAAGACCACC 3',PBV2:5'TGAAATCTGGTAAGGCAAGTACAGGGcc3 ')を用いて,PCRに供試した。その結果、12Na-2を吸汁させたミカンコナカイガラムシからは,目的サイズのバンドは得られなかった。虫体からの検出については再検討を要する。 2.植物DNAに内生するバドナウイルスDNAの探索 多様な外観無病植物を収集し,バドナウイルスDNAのPCR検出を試みた。8属8種植物の葉からNucleon社"PhytoPure"を用いて全DNAを抽出し,TaKaRa社"Ex Taq"を用いて,PCRに供試した。プライマーは,Lockhartら(1993)が報告したバドナウイルス属共通プライマー(Badna 1A:5'CTN TAY GAR TGG YTG TNA TGC CNT TYG G 3',Badna 4':5'TCC AYT TRC ANA YNS CNC CCC ANC C 3')を用いた。その結果、コーヒーとポトスから,バドナウイルスDNAと考えられる特異的なDNA断片が検出された。このほか、日本産カランコエおよびミャンマーで採集した複数のバナナ試料からもバドナウイルスDNAを検出した。 3.バナナのバドナウイルスについて、2006年10月韓国植物病理学会の招聘による講演およびミャンマーのバナナウイルスについて、平成19年度日本植物病理学会大会における口頭発表を行った。
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