・耐酸性マメ科植物の検索と耐性メカニズムの解明 昨年度に引き続き、マメ科植物の内、低リン耐性について検索を行い、ラッカセイとシカクマメおよびヘアリーベッチとクリムソンクローバー以外に、セスバニアが有望であることが明らかになった。また、6種のクロタラリアはいずれも低リン耐性が弱いことが明らかになった。 なお、ルートボックスとPCを用いた画像処理によるマメ科植物Al耐性の調査および低リン耐性メカニズムの調査に必要な根系発達の調査・評価法について方法を検討している。 ・カバークロップの生育量、窒素固定能、各種成分吸収量および被覆状況 5品種のラッカセイの土壌の被覆率は、栽培期間の長いサウスイーストランナーで11月まで、栽培期間の短いジャワ13号で9月まで、その他の千葉半立、千葉43号、オキナワサンでは10月まで高く推移することが、冬作物のヘアリーベッチは、4種クローバに比べて生育量が大きく、亜熱帯域の沖縄では10月から12月の幅広い期間に播種することが可能であり、2月から4月にかけてバイオマスが最大に達することが、ポット栽培試験や圃場の結果から明らかになった。 ・カバークロップの土壌流亡軽減効果 メイズ収穫期前にラッカセイを播種し、土壌被覆率を高めることで、エロージョン防止能が高まる可能性があることを、傾斜地圃場を用いたモデル試験によって明らかにするための試験を開始した。 ・沖縄における有良根粒菌の単離と接種効果 酸性からアルカリ性までの土壌が存在する沖縄本島および離島の土壌を採取し、ラッカセイ、シカクマメ、セスバニア、ヘアリーベッチの根粒菌を単離した。また、これらの根粒菌の耐酸性について調査を開始しつつある。
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