研究課題/領域番号 |
17580056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
村田 智吉 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 主任研究員 (50332242)
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研究分担者 |
田中 治夫 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (20236615)
亀山 哲 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 主任研究員 (80332237)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 土壌学 / 土壌圏現象 / 地理情報システム / 国土保全 / 評価・解析 / 土壌分類 / 土壌有機物 / Soil Organic Matter |
研究概要 |
奥秩父に分布する土壌を対象に、鉱質土中の酸性シュウ酸塩可溶及びピロリン酸塩可溶のAl、Feなど、火山噴出物由来の特徴を示す構成成分の蓄積量と土壌炭素蓄積量との関係、及びその空間分布特性について調査・解析を行った。更に、土地分類基本調査による分類、林野土壌の分類、統一的土壌分類体系-第二次案、世界土壌資源照合基準(WRB)の4種の分類体系を用いて本地域に分布する土壌の分類比較を行った。そして、土壌炭素蓄積量の空間評価の際の各分類体系が持つ特徴の整理を行った。急峻な奥秩父では、AlやFeなどの土壌構成成分および土壌有機炭素の蓄積量が地点により大きく異なっていた。また、既往の報告同様、土壌炭素蓄積量はピロリン酸可溶Al蓄積量や酸性シュウ酸塩可溶Al蓄積量と高い相関関係を示し、火山噴出物由来の成分が土壌有機物の安定集積に重要であることが再確認された。また、これら土壌構成成分の蓄積量は地形や植生とも密接な関係を示し、山地斜面の形状や標高、土地利用形態・履歴などとの関係についてさらに知見を積み重ねていく必要がある。土壌分類体系間の比較検証では、前二者では地形との関連性を表現することに優れているが、一方、土壌理化学データを必要とする後二者については、互いに対応関係が良かったものの、山地での地形や土壌水分環境との関連性を表現することにおいては今後の課題と考えられた。土地分類基本調査による分類結果と統一的土壌分類体系-第二次案よる分類結果をもとに、土壌図を作成し、土壌断面および土壌理化学データから得られる統計値を用いて土壌有機炭素蓄積量の空間的見積を行ったところ、比較的緩斜面で構成される地域では両体系による積算結果に大きな違いはなかったが、急峻、且つ、乾性傾向の強い土壌が広く分布する地域では、積算値に開きがあり、火山灰由来の土壌構成成分を含む土壌間での境界区分の影響が表れたと考えられる。
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