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2005 年度 実績報告書

アルミニウム耐性菌による酸性土壌の改良とアルミニウム耐性の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17580065
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

河合 富佐子  岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60118007)

研究分担者 金原 和秀  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (30225122)
谷 明生  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00335621)
清水 頼子  岡山大学, 資源生物科学研究所, 技術職員 (70379808)
キーワードアルミ耐性菌 / 酸性土壌 / Penicillium janthinellum / Rhodotorula glutinis / アルミ耐性遺伝子 / 後成的アルミ耐性機構 / アルカリ化菌 / 活性酸素
研究概要

1.Al耐性菌による酸性土壌の改良と耐性機構の生理機能
Penicillium janthinellum F-13株による酸性土壌の改良条件を検討した。また、土壌条件に近いと考えられる土壌抽出液培地を用いたフラスコ培養で、アルカリ化の要因となる物質を調べた結果、アンモニアの生成を確認した。生成は培地のpHやAl負荷に影響されなかった。土中のAl濃度は数mM以下であるので、本菌の機能は全く影響をうけない。アンモニアの生成にはアミノ酸あるいはタンパク質系物質の添加が適切であった。
2.土壌に接種した耐性菌の検出
4.で述べる土壌の遺伝子解析の結果、Penicillium造およびCryptococcus属は酸性土壌に普遍的に存在することが明らかになった。また、耐酸性・アルミニウム耐性はP.janthinellumに種レベルで保存されていた。28SrDNAはPenicillium属に高度に保存され、P.janthinellum特異的な配列は存在しなかったので、FISH法などのプローブとしては使用できない。しかし、土中の耐酸性・Al耐性Penicillium属の検出には使用可能である。接種前後の菌数をAl添加培地(pH3.0)でカウントした結果、土壌に散布したP.janthinellum F-13株の数年間の生残性は認められるが、菌数はじょじょに減少した。
3.酵母及びカビにおけるAl耐性の解析
Rhodotorula glutinisのAl耐性はAl存在下におけるミトコンドリアDNAの増加と関連していた。また、耐性株では膜関連遺伝子のコピー数の増加が認められた。Al刺激により膜電位が上昇し、活性酸素が発生し、ミトコンドリアクリステの断片化とサイズの縮小が野生株では認められた。しかし、耐性株ではラッカーゼ等の膜関連遺伝子の発現を高めて活性酸素の発生を抑制していると思われた。P.chrysogenum耐性変異株由来の耐性遺伝子候補をタバコ細胞に導入して、耐性の付与を継続試験中である。
4.土壌の遺伝子解析
タイ北部より採取した中性および酸性土壌のeDNAをDGGE解析するとともに、土壌を酸性条件下でAlを含む培地で培養した結果、細菌類はAlの影響を受けやすいことが明らかであった。そこで、真菌類の28S rDNAのDGGE解析を行った結果、中性土壌はAlの影響をうけて菌叢が変化するが、酸性土壌では変化がなかった。このことから、酸性土壌では酸性に適応して生態系が単純化していることを確認した。酸性土壌の改良は植生を促進し、菌叢を豊かにし、物質循環を高めるものと期待される。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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