研究概要 |
1.ポリカバノシドC2,PC2の構造研究 1991年にグアムでカタオゴノリGracilaria edulisによる食中毒が発生し、原因毒としてポリカバノシドA(PA)を単離した。その時、微量類縁体としてPC2を単離したが、0.1mg以下しか得ることができずに、当時はFABMSで[M+Na]^+m/z877から分子量を854と決定し、1Dの^1H NMRを測定した。また、UV吸収からPAと同様に共役トリエンを有することが示唆されたが、構造決定には至らなかった。CD_3CN中で-20度で保存したPC2は2003年にCOSY, HSQC, HMBCを測定し、不完全ながら相関を解析することができ、メチル化されたフコシルザイロースと、PAとは違うアグリコンを有する平面構造を推定した。しかし、10位、13位の立体化学が不明であり、また、メトキシメチンの10位の^<13>C NMRのケミカルシフトが94.0ppmで、異常に低磁場であるため、平面構造の確認が必要であった。北海道大学理学研究科藤原憲秀助教授からPA合成中間体の10位の両エピマーを供与して頂き、PC2モデルを合成でき、塀面構造を確認した。 2.アポトーシス経路の追求 オハイオ州立大学Paquette教授から供与された類縁体を用いて構造活性相関を行なった。側鎖構造がアポトーシス活性に大きく影響することがわかった。 3.細胞内各種陽イオン濃度の変化 ポリカバノシド類を各種細胞に供してCa^<2+>濃度指示薬で変化を追求したが大きな変化は観測されなかった。
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