研究概要 |
・抗生物質マクロリドαの大量合成を達成した。側鎖トリフルオロメチル体のモノマー両鏡像体を調製した。パママイシン597の北半球部分のビステトラヒドロフラン中間体を合成した。635Aの南半球部を合成した。 ・抗生物質エナシロキシン(ENX)類の側鎖の絶対立体配置を二次元NMR(J-分割HMBC法など)を用いて13'R、14'Rと決定した。側鎖の転位現象も確認した。 ・抗生物質スピロファンジンA及びBのスピロアセタール部分を再度合成し、以前決定した立体配置の誤りを確認した。それぞれ(E,E)型と(E,Z)型であり、後者が安定であった。 ・黄桃灰星病毒素であるデクロロモニリジオールの生合成推定中間体を2,3-ジメチルフェノールから調製した。 ・イネいもち病菌毒素ピリクオールの非天然型の合成を達成し、天然物の絶対立体配置をRと決定した。 ・クリオネの忌避物質プテロエノンの天然型を含む4種のジアステレオマーを合成した。 ・植物ホルモンジャスモン酸類縁体である4,5-ジデヒドロジャスモン酸メチルの両鏡像体を酵素分割を経由して調製した。その結果天然物の絶対立体配置はジャスモン酸メチルのそれと同じである事がわかった。天然型は非天然型に較べはるかによいジャスミン香気を有していた。また天然型は白血病細胞分化誘導活性を示し、非天然型は殆ど示さないことも明らかにした。 ・ニワトリ胃潰瘍誘発物質であるジゼロシンの高効率全合成を2段階の金属カップリング反応を鍵段階に合成した。過去の合成中間体の効率的調製にも成功した。
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