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2006 年度 実績報告書

シスチントランスポーターの発現を制御する食品成分の探索とその発現制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17580103
研究機関山形大学

研究代表者

佐藤 英世  山形大学, 農学部, 助教授 (60235380)

キーワードシスチン / グルタミン酸 / トランスポーター / グルタチオン / アミノ酸 / レドックス / ポリフェノール / フラボノイド
研究概要

食品由来のフラボノイドは、活性酸素などのラジカルを消去する抗酸化物質として働くことが知られている。前年度の研究からフラボノールの一種であるケルセチンが、主要な内在性抗酸化物質であるグルタチオンの細胞内レベルを上昇させることを明らかにした。本年度は、フラボノイドによるグルタチオン上昇機構とその構造相関について検討した。マウス膵臓β細胞由来βTC3細胞を用いて、種々のフラボノイドを添加した時、細胞内グルタチオンレベルがどのように変化するか用量、添加時間を変えて調べた。その結果、ケルセチン以外にも、ラムネチン、イソラムネチン、ルテオリン、フィセチンを添加するとβTC3細胞のグルタチオンレベルが有意に上昇することがわかった。シスチントランスポーター(xCT)は、哺乳類細胞形質膜上に発現するアミノ酸トランスポーターの一種であり、細胞内のグルタミン酸との交換により細胞外のシスチンを細胞内に輸送する機能を有する。培養細胞におけるグルタチオンレベルの維持には、xCTの働きが重要であることが知られている。そこで、これらのフラボノイドを添加した時、xCTの発現を調べたところ、これらのフラボノイドの添加によってxCTが誘導されることが明らかとなった。一方、ケンフェロール、ミリセチン、ケルセタゲチン、イソケルシトリン、モリン、アピゲニン、タキシホリンの添加では、グルタチオンの有意な上昇は認められなかった。また、シスチンの取り込み活性も上昇しなかった。以上の結果から、フラボノイドには、xCT遺伝子の発現を制御することにより細胞内グルタチオンレベルを調節する機能のあることが明らかとなった。また、この機能を持つフラボノイドは、共通の構造としてC環の4位のカルボニル基と共役した2,3-二重結合と、B環のカテコール構造または、それと類似の構造を持つことが重要であることが推定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Beneficial effect of antioxidants in purified neurons derived from rat cortical culture2007

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Sagara
    • 雑誌名

      Brain Research 1131

      ページ: 11-16

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Expression and function of cystine/glutamate transporter in neutrophils2007

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sakakura
    • 雑誌名

      Journal of Leukocyte Biology 81

      ページ: 974-982

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] シスチン・グルタミン酸トランスポーターによるレドックス制御2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤英世
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 別冊

      ページ: 95-97

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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