研究課題
本研究は以下の2つの項目に分かれている。A.樹木の多様性の異なるカラマツ人工林における分解者の多様性の比較(比較調査)B.樹種の多様性が分解者の多様性と分解過程に及ぼす影響(再現実験)Aにおいて、胸高断面積における割合において広葉樹の混交度合が0-50%であるカラマツ人工林、8林分において、中型土壌動物の採集を行い、その1機会分においてササラダニ群集の種同定を行った。採集は2年にわたり1年に2回春と秋に行われた。中型土壌動物の採集は、開口部面積25cm^2、深さ5cmの円筒を用い、各林分ごとに1機会に9個のサンプルを採取した。サンプルは実験室に持ち帰りマクファーデン装置を用いて土壌動物を採集した。8林分を通して、ササラダニは約80種発見され、各サイトの密度、種数は32000-91000/m^2、29-47種となった。カラマツ広葉樹の混交率が5%以下である林分とそれ以上の林分の平均を比較すると、密度及び種数はそれぞれ、50000と75000m^2、34と40とな.り後者で種数が多い結果が得られた。次年度以降、他季節の群集の同定、解析を進める予定である。Bの再現実験において、樹木リターが土壌動物群集に与える影響を実験的に評価するため、複数の樹種を組み合わせたリターケースを作成し、八ヶ岳周辺の国有林及び県有林に設置した。サイトは6林分でこのうち、胸高断面積において95%以上をカラマツが占めるものが3プロット、それ以下を3プロットとした。リターの組み合わせは、6通りで以下の通りである。1種 カラマツのみ、シラカバのみ、ミズナラのみ2種 カラマツ+シラカバ、カラマツ+ミズナラ3種 カラマツ+ミズナラ+シラカバ合計720個を2006年11月に設置した。次年度以降これを回収し、土壌動物群集の変化、落葉分解過程を把握していく予定である。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Edaphologia 80
ページ: 35-64