研究課題
胸高断面積における割合において広葉樹の混交度合が0〜50%であるカラマツ人工林、8林分において、中型土壌動物の採集を行い、その2機会分においてササラダニ群集の種同定を行った。各林分間でのササラダニ個体数、種数を比較した結果、広葉樹が混じる林分でササラダニ種数の多い物が見られるものの、広葉樹の混交度合と種数との間には有意な関係は認められなかった。一方、土壌コアごとにデータを解析した結果リターの堆積量とササラダニ個体数の間に正の相関が認められた。ハンドソーティング法を用いて各林分における大型土壌動物群集の調査を行い、おおよそ目レベルの同定をおこなった。当該カラマツ林はいくつかの地点でキシャヤスデが集中的に採集される以外は、おおむね非常に貧弱な大型土壌動物相を持つことがわかった。また、広葉樹の混交度合との関係は明瞭でなかった。カラマツ、シラカバ、ミズナラの3種の落葉を組み合わせた、分解実験において、設置後約半年および一年の2007年5月および10月にそれぞれ180個のリターケースの回収を行い、定着した土壌動物をツルグレン装置を用いて抽出するとともに、ケース内のリターの重量を測定した。設置後1年目では20〜30%程度の重量減少が見られ、このうちカラマツのみの組み合わせが、カラマツ+シラカバ以外の組み合わせと比べて有意に大きい残存重量を持つことが示唆された。一方、広葉樹の混交度合のことなるプロット間での差は有意ではなかった。以上から設置後1年目のリターでは、リターの性質が分解速度に与える影響が大きくなると考えられた。
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