研究課題
基盤研究(C)
本研究では、資源循環型の木質パネルの利用スキームを提案することを目的として、その技術的な裏付けを実験的に検証することを課題とした。国内の木質資源としては、戦後大量に植林された国産針葉樹の小径・中径材の利用、建築解体材や木材産業から排出されるリサイクル材の利用が課題となり、さらに、海外における植林木を加え、これらをハイブリッド化することで、新しい木質パネルの流れを創造することを目的とした。平成17年度には、(1)国産のスギと海外植林木による複合合板(ハイブリッド合板)の設計と製造試験を行った。また、(2)スギ・ストランドを表層に、リサイクル材小片を芯層に配置した複合ストランドボードについては、5層リサイクル材複合ストランドボードの層構成の設計を検討した。国産針葉樹の代表としてスギを用い、海外の植林木を代表してユーカリ・グランディス(Eucalyptus grandis)を選定した。同種は成長速度が速い上に密度が高く、スギの弱点を補強することができる。厚さを9mmと28mmの2種類として、表面にスギ上質単板を用いたもの、中質単板を用いたもの、グランディス単板を用いたものを基本として内層に一般スギ単板を用いたものならびに用いないものを試作した。実大寸法(1800mm×900mm)の合板を製造し、非破壊による物性評価、接着耐朽性評価試験を行った結果、ハイブリッド化することにより、スギ材の特徴が引き出されることが確認できた。また、APIレジンを用いた合板では、ホルムアルデヒドの放散量が極めて少ないことが確認された。表層への良質スギ単板の仕様により、表面性の優れたパネルの製造が可能となった。5層構造の配向性ストランドボードの層構成は、第1層と第2層の厚さの比が物性に大きく影響すること、実機での製造を考慮するとリサイクル材を原料とする第3層も含めて、構成比を均等に近い値にする必要があるとの結論を得た。
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Proceedings of the European Panel Products Symposium, Llandudno, UK 9th
ページ: 269-274
Proceedings of the IAWPS2005 International Symposium on Wood Science and Technology, Yokoyama, Japan 2005
ページ: 114-115