研究概要 |
前年度に行った在来軸組構法実大立体構造物の仮動的水平加力実験の結果を質点モデルおよび有限要素法によるマクロモデルを用いたシミュレーション結果と比較した。質点モデルは,耐力壁のせん断試験結果をもとに耐力壁のヒステリシスモデルのパラメータを決定し,有限要素モデルでは,釘接合部のヒステリシスモデルをもとにマクロモデルのパラメータを決定し,地震応答解析を行った。1方向加力の場合は,耐力壁の配置に拘らず質点モデル,有限要素モデルとも実験結果をよく記述することがわかった。また,在来軸組工法を想定した2分の1モデルについて,仮動的水平加力実験を行い耐力壁の配置が構造物の立体応答に及ぼす影響を調べた。加力は,試験体に対して45度方向に行い,2方向の地震入力が構造物の地震応答に及ぼす影響を調べた。実験結果を質点モデルによる立体地震応答解析結果と比較したところ,水平構面の剛性が高い場合は,解析結果は実験結果とよく一致したが,水平構面の剛性が低い揚合で耐力壁の配置に偏心を有する場合は,シミュレーションは応答を過小評価する結果となり,モデル化の更なる検討が必要であることがわかった。
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