歩留りを向上させることを目標にして、乾燥後の収縮形状変化を見越したカーブ挽き高歩留りチェーンソーガイド挽き製材システムの開発を目指した。 木取りによる乾燥後の形状変化のコンピュータシミュレーションを試み、製材位置によるカップ反りがある程度推定できるようになった。シミュレーションのための入力条件は、半径方向の密度分布、未成熟部、成熟部、半径方向収縮率、接線方向収縮率、年輪幅が必要であった。 モウソウチクを燻煙熱処理したとき、乾燥効果が大きい燻煙釜上部に配置したタケは乾燥による収縮引張応力を受けずに形状固定されて、密度、曲げ強さ、曲げヤング率が向上した。カーブ挽き板を乾燥させて平板化する意義が認められた。 カーブ挽き切削に関する基礎的切削性能資料を得ることを目的に、単一平刃で、切込み量(切屑厚さ)を切削条件にとり、ヒノキ材の繊維走行に沿って刃が移動する繊維追従平削り切削実験を行い、切削抵抗、加工誤差を調べた。切込み量0.1mmから0.5mmまでは流れ型切屑が生成し、切削抵抗は切込み量に比例した。切込み量0.6mmから1.0mmまでは折れ型切屑が生成し、切削抵抗は切込み量に比例せずほぼ一定となった。切込み最0.1mmから0.5mmまでは加工誤差が小さく、切込み量0.6mmから加工誤差が増大した。カーブ挽き切削でのチェーン歯の最大切込み量は0.5mm以下とすることとした。 チェーンソーのガイドを曲率半径500mmのカーブを付けた切削装置を組み立て、スギ丸太をカーブ挽き実験を行い、カップ上の挽き板を乾燥させ、ある程度平板化することができた。
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