研究課題/領域番号 |
17580154
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日野 明徳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90012012)
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研究分担者 |
岡本 研 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20160715)
青木 茂 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (50270898)
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キーワード | ケモスタット / 海産ワムシ / 淡水ワムシ / 連続培養 / 内的増殖リズム / 汚濁負荷軽減 |
研究概要 |
海産魚種苗生産工程からの廃水のうち、汚濁物質の里、濃度ともに高い値を示すのは海産ワムシの培養廃水であるが、その培養は、ワムシの生態・生理面で十分な解析のないまま対症療法的な実用化・技術化が急速に進んだことが裏目に出て、汚濁負荷軽減に最適なシステムを選択する際に生物学的な情報の不足が最大のネックとなっている。そこで本研究では、従来誰も顧みなかった海産ワムシ個体群が持っている「増殖の内在リズム」を、ケモスタット装置により12時間ごとの個体数と残餌密度から検出し、システムの構成以前に考慮すべき問題、また管理方法改良以前に検討すべき事項の有無を精査した。また、急速に普及し始めた海産ワムシの簡易ケモスタット式連続培養が今後は、ホンモロコおよびニゴロブナなど淡水魚の種苗生産で用いられる淡水ワムシにも普及することを予測し、試験研究機関の持つ1トン装置で、最適な運転条件等、管理手法を詳細に検討した。 その結果、海産ワムシBrachionus plicatilisでは、培養槽への給餌量が一定であるにも関わらず周期的な個体群サイズの変動が検出され、反対にB.rotundiformisでは、近縁種であるにも関わらず、そのような周期的な変動は起こらなかった。種苗生産現場では、両種を同じプログラムで管理することが多く、内的リズムを無視していることが培養の好不調を招いていることが証明された。一方淡水種B.calyciflorusは、上記海産2種と近縁、かつサイズもB.rotundiformisと酷似しているが、海産種よりも培養槽中のアンモニア、低酸素など一般的な環境抵抗に対する耐性の低いことが明らかになったため、その数値を基に海産ワムシのケモスタット式連続培養の管理手法とは異なる運転指針を作成した。
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