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2006 年度 実績報告書

有害物質を含む水産加工残滓の低コスト再資源化と環境汚染防除法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17580158
研究機関東京海洋大学

研究代表者

任 恵峰  東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (00345406)

研究分担者 林 哲仁  東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (00173013)
後藤 純雄  国立環境研究所, 循環技術システム研究開発室, 室長 (30112890)
キーワード水産加工残滓 / カドミウム / 生物資源の再利用 / 環境汚染防止 / 固化剤(メタシール) / Cd溶出濃度
研究概要

カドミウム(以下Cd)を生物濃縮し、焼却や埋設処分により環境を汚染する水産加工残滓ホタテウロの、生物資源リサイクルシステム構築を試み、本年度は次の2項目を実施した。
1.洗浄ウロおよび洗浄液上澄みの有機肥料としての可能性:2%酢酸洗浄でCd濃度が1ppm以下になったウロ中の残留酢酸の取扱いを検討した。有機無農薬栽培農家では、酢酸を主成分とする木酢液を土壌改良の目的で畑地に灌注したり、病害虫予防などのために葉面散布したりすることしばしばある。このように酢酸は有機栽培で意図的に用いることから、洗浄ウロ中にはむしろ若干残存するほうが肥料素材としては好ましいことが判明した。生物由来の有機物を肥料として循環再利用するとき、窒素量の多寡と、アミノ酸組成比は重要な指標である。成長促進効果(Glu, Pro, Gly)と、作物の味と着色(Asp, Ala, Arg)に有用な6種アミノ酸では、Gly以外の5種アミノ酸は弱酸の反復洗浄でもほとんど損失しないことが明らかになった。一方で成長促進効果のあるGlyは洗浄液に相当移行するので、葉面散布剤として園芸作物への効果が期待できる。
2.高濃度Cd凝集沈殿物の処理方法:洗浄液を沈殿・凝集剤処理すると、Cdの大部分は凝集沈殿(水分80%)に移行し、廃棄が困難となった。そこでこの凝集沈殿を乾燥した(水分50%)後、Cd(無水換算で288ppm)を含む沈殿乾燥物に、固定化剤メタシール(テルナイト社)を加えて混練・固化し3日間開放養生した。Cd溶出量を環境庁告示第13号で測定した結果、無添加では1.20mg/Lだったが、添加により0.14mg/L(5%添加)〜0.21mg/L(2.5%)となり、環境基準(0.3mg/L))を満たして最終処分場に埋設可能となった。
今後は、中小の加工場にも設置可能な、低価格の実証規模Cd処理プラントの設置を検討すると同時に、肥料以外の用途の開発も検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 水産加工残滓からの有機肥料の製造方法2006

    • 発明者名
      任 恵峰, 林 哲仁, 福田量二
    • 権利者名
      東京海洋大学, 大成農材(株)
    • 産業財産権番号
      国内特願2006-075112 国際出願 PTC/JP2007/53767 (米国・中国)
    • 出願年月日
      20060317, 20070228

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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