研究概要 |
本年度は、研究成果の印刷発表(The distribution of proliferating cell nuclear antigen-immunoreactive cells in the pineal organ of the rainbow trout Oncorhynchus mykiss, Arch. Histol Cytol. 70:225-234,2007)および学会発表(ニジマス成魚の松果体におけるPCNA陽性細胞の分布、平成19年度日本水産学会秋季大会、9月26日、函館)に努め、さらにまたWFC2008,5^<th> World Fisheries Congress, October 20-24, 2008, Yokohamaに出席して研究成果(Proliferation of the photoreceptor cells in the pineal organ of the adult rainbow trout, Oncorhynchus mykiss)を発表する予定である。 光受容-メラトニン分泌が行われる魚類松果体でも網膜の場合と同様に、成魚においても光受容細胞が新生され続けるのかどうか明らかにするために、まず未成熟ニジマスOncorhynchus mykissの松果体で増殖細胞核抗原(PCNA)免疫陽性細胞の顕著な分布とロドプシン陽性光受容細胞外節との連結あるいは近接を認め、光受容細胞が成魚においても新生し続ける可能性を指摘した。次に、成熟間近いニジマスにBrdU(チミジンの類似体)を投与し松果体への取り込みを免疫細胞化学的に調べるとともに、産卵後も成長し続けているニジマス(3年魚)についても調べ、松果体膨大部および柄部の吻側への著しい伸長とPCNA陽性細胞の顕著な分布および光受容細胞への分化の可能性を明らかにした。これらのニジマスに関する結果を、温水魚のティラピアOreochromis niloticusや小型実験魚のゼブラフィッシュDanio rerioあるいはキンギョCarassius auratusにおけるBrdU取り込みあるいはPCNA免疫陽性細胞の分布と比較検討した。
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