研究概要 |
硬骨魚は、IgMとIgDの2種の免疫グロブリンを持っている事が知られている。しかし、本研究で、魚類では3番目となる新しい兔疫グロブリンを発見した。以下その概要について説明する。 ゼブラフィッシュとトラフグのゲノムのデータベースより、新しいタイプの免役グロブリンのクローニングをin silicoで行った。さらに、この遺伝子が本当に発現しているかを確かめるために、PCRを用いてクローニングを行った。トラフグについては、in situハイブリダイゼーションとRT-PCRにより各組織での発現の検討を行った。 新しい免疫グロブリンは、重鎖のV領域とD領域の間から見いだされた。ゼブラフィッシュは4つのドメイン、トラフグは2つのドメインを持っており、それぞれ、その上流にいくつかのD領域とJ領域の存在が確認された。ゼブラフィッシュの新しい免疫グロブリンの相同性は、ゼブラフィッシュのIgMとは16.7%,IgDとは7.8%であった。 一方、ゼブラフィッシュとトラフグとの新しい免疫グロブリンの相同性も14.1%と低かった。この遺伝子はトラフグにおいて、発現している遺伝子の解析から膜結合型と分泌型が確認された。さらに、トラフグにおいてこの遺伝子は、腎臓、脾臓、血液(白血球)、鰓、腸管で発現が確認された。
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