養殖魚類、特にカンパチより分離される新型の連鎖球菌は、ランスフィールドC群のStreptococcus dysgalactiaeであることを明らかにした。この細菌は、もともと畜産動物であるウシ乳房炎から分離される細菌で有名であるが、同様の細菌が現在魚類養殖場の魚類からも分離されることが判明した。魚類由来の細菌は、畜産動物由来の細菌とは、ラクトースからの酸産生の違い、あるいはある特定の領域(16srRNA-23srRNA)の遺伝子の1塩基の相違が明らかとなった。また、魚類由来の菌株の疫学調査を行った結果、均一の細菌集団による感染が拡大していることが明らかとなった。また、魚類由来株の感染魚からの細菌分離において、選択培地(クーマシー・ブリリアントブルーを加えた選択培地)を開発し、従来のレンサ球菌感染症の原因細菌であるLactococcus garvieaeとの識別診断が可能であることを明らかにし、養殖現場での応用を可能とした。
|