研究課題/領域番号 |
17580175
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 名誉教授 (80017087)
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研究分担者 |
川邊 玲 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80380830)
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
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キーワード | 切り離し装置 / 画像ロガー / バイオロギング / 方向探知器 / 水中画像 |
研究概要 |
水中で生活する動物の行動や生態の情報を得るためにデータロガーを動物に装着して生態や行動を計測記録するバイオロギング研究は、陸上繁殖場でのロガーの回収が容易なペンギン、アザラシで普及し多くの成果を得た。しかし、終生水中で生活する魚類などの動物ではバイオロギング研究は遅れている。本研究では、ボトルネックとなっているロガー回収システムの開発を中心に行なった。 本年度は小型切り離し装置として、プリセットタイマー、切り離しブースター、方向探知送受信機、浮上材の開発を中心に行なった。 切り離し装置として、径16mm、長さ25mm、重量10g、耐圧2000mのタイマー起動型切り離し装置を完成した。方向探知送受信機も出力10mWの低出力送信機を開発し、現在テストを行なっている。浮力材としては耐圧200m、600mのウレタンフォーム(比重0.3)を整形して用い、小型高性能浮上装置を完成した。 これらのシステムを三陸沿岸の大槌湾においてシロサケに装着し、切り離し回収実験を行ない、回収に成功した。さらに画像ロガーを装着し、サケの回帰行動中の画像の収録に世界ではじめて成功した。また、開発したシステムを利用して中国山峡ダムにおいて絶滅が危惧されているヨウスコウチョウザメの生態解明を行いたいという研究協力の依頼を受けて同地においてチョウザメ4個体にシステムを装着し、2日後に回収に成功した。回収においては地形的に電波の方向探知が非効率的になるため超音波ピンガ-も併行して利用した。 本年度予定した新開発の高精度画像ロガーによる現場実験は、画像ロガーのテストや現場実験の準備の遅れから来年度に先送りとなった。 本年度の研究成果は一部学会において発表した。また論文としても鋭意準備している。
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