研究課題/領域番号 |
17580175
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 名誉教授 (80017087)
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研究分担者 |
河邊 玲 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80380830)
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
加藤 明子 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (80261121)
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キーワード | 海洋探査 / 海洋生態 / バイオロギング / 画像ロガー / 無人装着・切り離し装置 / 簡易切り離し装置 |
研究概要 |
平成18年度は、予定されていた高分解能画像ロガーの開発が遅れ、使用が困難となったため、予定を変更し、画像ロガーを組み込まない加速度ロガーのみによる小型魚などからの切り離し回収現場実験を行った。切り離し回収装置は平成17年度に開発した装置を使用し、魚体への装着方法を含めてシステム全体の性能向上を目指した。本年度はさらに、切り離し回収システムの利用対象種の範囲を広げるため、無人装着・回収システムの開発も本年度に追加して行った。無人装着・回収システムは水圧や温度ストレスのため捕獲が困難な深海性の魚類(当初計画で予定したキンメダイへの装着を想定して)などにも画像データロガーシステムの装着を可能にするものであった。この装着方法の改善研究においては、平成17年度に使用した、切り離し装置の一層の小型化を行った。また、切り離し装置の装着作動実験を繰り返し行う際に高価な離し装置を多数利用するのを避けるため、簡易切り離し装置の開発も行った。 1)現場実験:相模湾下田海域においてネコザメ、ウシエイ、エイラクブカに装着回収実験を行った。また、平成17年度に引き続き揚子江山峡ダム下流のヨウスコウチョウザメについても産卵のため回帰した親魚にも装着回収実験を行った。下田湾海域においては数回の実験をVHF発信器および超音波発信器を利用して回収を行った。装置全体を小型化するため短時間の回収実験では超音波発信器により回収が可能であることが確認された。揚子江実験ではチョウザメの活発な移動と速い流れのため回収はかなり困難であったが、4個体の内2個体から回収に成功した。長距離を移動する動物からの回収にはアルゴスシステムの利用が必要と考えられた。 2)無人装着・回収システムの開発:システムはロガー部、釣得部、切り離し部、タイマー切り離し部からなる。装着魚の確認はカメラロガーで行う。今年度はカメラロガーの開発が遅れたため、生け簀において実験を行った。実験からは原理的確認が得られたが今後改良が必要である。 3)切り離し装置の一層の小型化:切り離し装置は、タイマー部、バッテリー部、切り離し部からなる。全ての部分の小型化を目指し、本年度はタイマー回路の改良を専門家依頼した。切り離し部の小型化に取り組み、バッテリーを1/5に減量することを可能にした。 4)簡易切り離し装置の開発:温度・流速に対応した飴による簡易型切り離し装置の開発に取り組み基礎データを取得した。 5)以上の他画像ロガーデータベースを作製し、ウェブサイト(http://www.bio-logging.com/)に公開した。
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