農村集落の計画づくりにおいて、地域自らが計画を作成しそれを実行するために、合意形成は必須の要件である。しかし、農業者・住民は多様化し、参加形態が多様化しているため、合意形成に至らない状況にある。 このような現状を鑑み、参加者の価値観の相違を前提としたアコモデーション(他者の価値観が自らのそれとは違っていることを認め理解する状況)下での合意形成の手法確立とその有効性について研究することを目的とした。 2年間をかけてアコモデーション的合意形成モデルを作成し、3年目に鶴岡市内3集落を試験対象に選定し、適用試験を実施することとし、関係機関との調整を行い、実験を行った。2集落で実験の最終段階まで実施し、そのうち1集落では対象者を拡大し、複数回の実施要請があり、3回の実験を行い、モデルの再検討を行った。 これらの研究成果から、本研究で取り組んだアコモデーション的合意形成モデルは地域づくりの立ち上げ時にもっとも効果的であること、会合等に参加しない住民に対しての意識付けにも効果が期待できること、そして比較的短時間でそれらの作業が可能であることを確認した。加えて、このモデルによって盛り上がった意識を実際の行動に展開するための2段階目のモデルが必要であることも明らかとなった。
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