研究課題/領域番号 |
17580227
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
鳥巣 諒 岩手大学, 農学部, 教授 (70038264)
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研究分担者 |
武田 純一 岩手大学, 農学部, 助教授 (80133908)
井前 譲 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30184807)
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キーワード | 傾斜地用移動ロボット / NN車両モデル / 追従制御系 / 汎化能力 / トラクタ・作業機系 / 肥料散布作業 |
研究概要 |
1)Platooningシステムの実現 昨年度(17年)、人の運転するトラクタを一定の距離をおいて無人トラクタ(移動ロボット)が追従走行するシステムを設計・構成し、予備テストを実施した。今年度は、本システムを積極的に利用して二つの実車実験を行った。 (1)平坦地における追従走行系実験 平均斜度が3度程度の平坦な付属農場内のグラウンドで、オペレータが無作為に先行トラクタを速度50(cm/s)で走行させる。このとき後続する移動ロボットが平均距離3(m)を保って追尾するPlatooningシステムを実現させた。 (2)傾斜地における追従走行系実験 走行圃場として、平均斜度が10度程度の放牧用牧草地を選定した。今回もPlatooningシステムが実現できた。以上のことから、本システムは、一人のオペレータが先行トラクタで青刈り牧草を収穫し、後続する無人トレーラに積み込むという収穫作業体系が可能であること示唆している。 2)内包する汎化能力を利用したNN車両モデルの拡張 元来、NN車両モデルは、教師信号を取得した環境(傾斜地)と車両(供試トラクタ)の2つを固定することで構成される。従って、供試トラクタを替えたり、走行路面を変化させるとその度に、モデルを再構成する必要がある。他方、NNには汎化能力があることが知られている。 そこで、供試移動ロボット(トラクタ)に、ブロードキャスタを直装しトラクタの重量と重心位置を変化させ、新しい別のシステムとした。このシステムを自律走行させるときに、トラクタ単体時のNN車両モデルをそのまま利用して、平均斜度15度の牧草地において、基準軌道追従実験を実施した。 基準軌道としては、1)等高線走行、2)円軌道、3)正弦波軌道をそれぞれ設定し、走行速度50(cm/s)の追従実験を行った。なお、トラクタの単体重量、トラクタ+ブロードキャスタ、トラクタ+ブロードキャスタ+肥料搭載の3段階の重量を変化させた。その結果、横偏差誤差が20(cm)以内で基準軌道へ追従可能であることがわかった。このことから将来、傾斜牧草地の施肥作業や播種作業等の無人化が可能であると考える。
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