研究課題
基盤研究(C)
放牧乳牛および放牧肉牛の機能性成分の動態を明らかにし、牛ルーメン内CLA含量に及ぼす粗飼料多給および牛ルーメン内CLA含量に及ぼすルーメンプロトゾアの影響について試験を実施した。結果の概要は以下のとおりである。1.放牧により牛乳中のCLAおよびビタミンA含量が高くなることが示された。2.牛乳中のビタミンE含量は、放牧により含量が増加する傾向は認められなかった。3.放牧および牧草サイレージのみで肥育された牛肉のCLA含量は濃厚飼料主体の慣行肥育の牛肉よりも多かったが、ビタミンEおよび遊離グルタミン酸の含量には、差は認められなかった。4.泌乳牛へのビール粕の給与により牛乳中の脂肪酸組成ではC18:0およびC18:1の割合が有意に高く、また、CLAの割合も高まった。5.泌乳牛への稲ホールクロップサイレージの給与はルーメン発酵や血液性状に影響を与えたが、牛乳中のCLA含量には影響が認められなかった。6.ルーメン内CLA生成に及ぼすプロトゾアの影響について、プロトゾア存在牛と不在牛を用いて検討した。プロトゾアは細菌に比べ、バクセン酸(VA)は40%多く、c9,tll-CLAは61%多かった。プロトゾア存在牛のルーメン細菌は不在牛のそれに比べ、VAを65%多く、CLAを22%多く含んでいた。また、ルーメン液の脂肪酸組成では、プロトゾア存在牛は不在牛に比べVAを151%多く含み、CLAを119%多く含んでいた。以上より、プロトゾアはルーメン内のVAとCLAの生成に大きく係わっていることが明らかにされた。
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