研究概要 |
1.ハムスターの顕微受精(ICSI)による胚発生と胚移植を検討した。(1)HECM-9培地へのウシ血清アルブミン(BSA),ブタ血清アルブミン(PSA),ヒト血清アルブミン(HSA)の各0.1,0.5,1mg/ml添加による胚盤胞期率は,BSAで各11%,13%,0%, PSAで各5%,18%,0%, HSAで各20%,36%,20%で,0.5mg/mlのHSA添加で最も高い胚盤胞期率となった。(2)組み替え型ヒトアルブミン(rHA),ヒト血清アルブミン(HSA),アルブミン無添加(PVA)における胚盤胞期率は各26%,26%,0%となり,rHAはHSAと同様で,PVAより高かった。(3)ヘモグロビン添加によって胚盤胞期率は改善しなかった。(4)0,0.5,1,5,10mMグルコースを添加したHECM-9での胚盤胞期率は各49%,57%,40%,25%,33%で,5mMの添加で発生率は低下した。0,5mg/mlグルコース添加培地で発生した胚盤胞の子宮移植による胎仔率は各61%と79%で,グルコース添加培地で発生した胚の胎仔率は高かった。(5)2細胞期胚の卵管移植と桑実期胚・胚盤胞の子宮移植による胎仔率は各39%と68%で,子宮移植での胎仔率が高かった。2.ミトコンドリアの動態をMito-Trackerによって観察した。ミトコンドリアは前核周辺を取り囲むように集合し,体内受精胚とICSI胚は同様であった。3.ハムスター円形精子細胞は6%グリセリン+10%卵黄による凍結保存で,80%以上が生存した。4.ネコ卵胞卵の体外成熟を検討した。(1)卵胞卵のA, B, Cランクにおける成熟率は各94%,12%,4%で,Aランクが高かった。(2)体外成熟培地への1μg/mlエストラジオール添加は,Bランクの成熟率を12%から61%に高めた。
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