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2005 年度 実績報告書

牛初期胚におけるRNA干渉作用機構の解明及び機能的遺伝子制御技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17580263
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

高橋 昌志  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・畜産飼料作研究部, 研究室長 (10343964)

キーワード牛初期胚 / RNA干渉 / 遺伝子発現
研究概要

【目的】:高品質の胚発生あるいはストレス応答性に関わる関係因子の発現機構を明らかにすることで、効率的な発育制御条件の解析が期待されている。そこで、本研究の目的として、家畜初期胚におけるストレス応答遺伝子を中心とした初期発生に関わる機能的および時期特異的に発現する遺伝子についてRNAiによる特異的発現制御を行うことにより、それらの阻害手法の確立と、その制御による機能的遺伝子の果たす役割について解明する。本年度は、牛体細胞及び初期胚におけるRNA干渉の有効性についての検証を実施した。
【方法】:1)牛体細胞である卵丘細胞及び卵管上皮細胞において、導入二本鎖RNAを特異的に切断してRNA干渉機構の第一段階に重要な役割を果たすRNase III作用を有するDicerについて牛配列特異的に設計し化学的に合成した21塩基長の二本鎖RNA(siRNA)をカチオン性遺伝子導入試薬によって導入後、48時間後にDicer mRNAの発現阻害作用を有することを確認した。
2)体外受精後、2,4,6及び8日後の胚におけるDicer遺伝子発現をRT-PCRで検出した。
3)体外受精後の牛1細胞期胚にDicer siRNAを250pMの濃度で5pl以下の容量で顕微導入し、継続培養を行い、導入48時間後のDicer mRNAの発現並びに胚発生に及ぼす影響を解析した。対照として、導入後の不活性効果が確認されている配列のsiRNA鎖を導入した。
【結果及び考察】:1)Dicer siRNAを導入した卵丘細胞及び卵管上皮細胞ともに48時間後のDicer mRNAの発現量は減少し、牛体細胞におけるRNA干渉は有効に働くことが明らかとなった。
2)発生の各段階における胚Dicer遺伝子発現は発生の各時期を通して発現が見られた。
3)Dicer siRNAを導入した一細胞期胚は対照として導入したsiRNA区と比較して分割率に影響は見られなかった。しかし、導入後48時間後のDicer siRNA導入胚におけるDicer mRNA発現の減少が確認された。
以上のことから、家畜生殖細胞および初期胚におけるDicer遺伝子のノックダウン系が確立された。本実験で抑制効果の見られたDicer siRNA導入による牛胚の初期胚発生への顕著な影響は見られなかったことから、初期胚発生に果たすDicerの役割は高くないことが示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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