研究課題/領域番号 |
17580275
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅沼 武敏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40332473)
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研究分担者 |
平岡 和佳子 明治大学, 理工学部, 助教授 (00212168)
丹羽 光一 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (20301012)
北村 直樹 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80301951)
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キーワード | fMRI / BOLD / 痛覚 / ホルマリン / 第一体性感覚野 / 前帯状皮質 / モルヒネ / ラット |
研究概要 |
本研究の平成17年度目標は「初年度の平成17年度は神経因性疼痛モデルのfMRI実現のための質的向上に力点を置く」事であった。当初、α-クロラロースによる鎮静を計画していたが、1%イソフルラン麻酔下で痛み刺激fMRI実験を行った。この方法はα-クロラロース鎮静法より再現性が高く、良好な結果がもたらした。左前肢にホルマリン刺激を与えた場合、痛み刺激部位と反対側の大脳皮質右側第一体性感覚野において6%前後の応答が刺激直後から4分間観察され、一次反応が消失した後、刺激4分後から20分後まで2%程度の持続性の応答が見られた。モルヒネ投与下において同様の刺激を与える第一体性感覚野ではホルマリン刺激直後に7%程度の信号上昇が観察され、刺激後4分まで上昇が続く、その後、刺激4分後から観察終了の24分後まで4%程度の信号増加が観察される。前帯状皮質の領域において、刺激後から信号が上昇し、ピークが第一体性感覚野のピークから48秒程度遅れて到達し、刺激後6分後から観察終了まで3%程度の信号上昇が持続する状態が観察された。応答の遅れが観察されたが、体性感覚野と非常によく似た応答を示した。また、第一体性感覚野での応答が8%程度上昇するが、刺激後からcingulum領域の信号が減少し4%程度まで減少したままになる。刺激後10分後からさらに信号減少が起こり、6%程度まで減少したままの群も観察された。この信号減少は前帯状皮質を中心として起こり、脳全体では観察されない。この群に属する応答が実験に供したラットの1/3属することが大変興味ある結果である。これは脳血流を上回る酸素消費、つまり神経活動の活発な領域を示しており、神経因性疼痛解明の一助となるであろう。
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