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2006 年度 実績報告書

神経因性疼痛モデルのfMRIによる可視化と獣医領域での痛み治療の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 17580275
研究機関東京農業大学

研究代表者

丹羽 光一  東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (20301012)

研究分担者 平岡 和佳子  明治大学, 理工学部, 助教授 (00212168)
浅沼 武敏  北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助手 (40332473)
北村 直樹  鳥取大学, 農学部, 助教授 (80301951)
キーワードfMRI / BOLD / 神経因性疼痛 / 前帯状 / 第一体性感覚野 / ラット / 脳 / 痛覚
研究概要

ヒトにおける痛み応答に関与する部位には、第二体性感覚野、島皮質、anterior cingulated cortex (ACC:前帯状皮質)、第一体性感覚野および視床部がある。本研究では、研究代表者らが確立したラット脳痛み評価法を用い、ヒトACCに該当するラット脳cingulate cortex (CG)領域におけるホルマリン刺激による痛みの信号を24分間と長時間観察した。
全ての個体において、第一体性感覚野領域のBOLD信号は、刺激直後から2分間の間にピークを迎え、その後低下することなく4-5%程度の増加を示していた。CG領域での時間変化は実験群の半数以上において、刺激後1分半程度にピークを示し、9%程度の信号上昇が観察され、その後2%以下に一度低下した。BOLD信号は刺激後14分まで上昇し、16分から再度信号は上昇し、24分まで4%以上の上昇が観察された。第一体性感覚野領域でのBOLD信号は大きな変化がなく、ヒトの脳ACC領域に対応するラット脳CG領域は痛みの表現型そのものと考えられる。刺激後、2分程度まではCG領域において信号変化は観察されなかったが、その後BOLD信号は低下し初め、16分後には低下し続けた。もし、血流量が一定な場合、神経活動の影響でMRI信号は低下することが予想できる。
しかし、多くのfMRI研究では神経活動の増加により局所の血流量が増加するため、神経活動によって発生したデオキシヘモグロビン量を上回るオキシヘモグロビン量が十分に供給されるため、MRI信号は増加する。炎症性疼痛の後期における痛みはCG領域で強く起こっていることを示している。
今回開発に着手したラット脳におけるCG領域を評価する系の確立は、「痛み」に対する理解をさらに深める事が期待出来る。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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