研究課題
基盤研究(C)
乳牛における分娩後初回排卵後の黄体期延長の病態を明らかにし、その治療法を開発するために、北海道2牧場、鳥取県1牧場および山口県8牧場、合計11の牛群の344頭の乳牛において試験を実施した。分娩後2週目から11週目まで、週2回の間隔で、乳汁採取を行い、乳汁中progesterone濃度の測定を行った。黄体期が21日間以上続いているものを、黄体期延長例と診断した。1.分娩後初回排卵後黄体期延長の発生率とその後の繁殖成績に及ぼす影響:344頭中正常な卵巣機能回復が認められたのは143頭(41.6%)で、36.9%が初回排卵遅延を示し、黄体期延長の発生率は10.2%であった。分娩後初回排卵後の黄体期延長例では、卵巣機能回復正常例に比べて、繁殖成績が低下しており、特に初回授精受胎率と分娩後100日以内妊娠率が低く(P<0.05)、空胎期間も長かった。2.分娩後初回排卵後黄体期延長の発生要因:発生率は牛群によって差があり、発生がみられた5牛群はすべて中・大規模のフリーストール牛群で、平均乳量が高かったのに対し、発生のなかった6牛群は、平均乳量が低く、2群をのぞいてタイストールであった。各牛群内では、卵巣機能正常回復正常例に比べ、初回排卵遅延例は分娩後の栄養状態が悪く、体重やBCSが低かったが、黄体期延長例は、大型で栄養状態が良好であり、乳量も高く、分娩後初回排卵も早かった。したがって、乾乳期および分娩時の良好な栄養状態と高乳量が黄体期延長の主な発生要因であることが分かった。3.分娩後初回排卵後黄体期延長の治療法:黄体期延長例に対して、PGF2αまたはestradiolの筋肉内投与を行い、効果を比較したところ、差は認められず、いずれの方法も有効であることが分かった。以上のように、本研究によって、分娩後初回排卵後黄体期延長の病態が明らかにされ、有効な治療法が示された。
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