研究課題/領域番号 |
17580284
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
牛澤 浩一 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物科学研究領域生殖機構研究ユニット, 特別研究員 (90399428)
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研究分担者 |
高橋 透 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物科学研究領域生殖機構研究ユニット, 主任研究員 (20355738)
橋爪 一善 岩手大学, 農学部獣医学科, 教授 (10355737)
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キーワード | ウシ / 子宮 / 分娩 / コラーゲン / IV型 / 7S / マトリックス / 免疫測定 |
研究概要 |
研究の概要 今年度は、昨年度に精製したウシ胎盤由来IV型コラーゲン7Sドメインの特性について検討した。当該ドメインはVI型コラーゲンのアミノ末端側に存在し、バクテリアコラゲナーゼで分解されない分子量約34000の断片である。研究担当者らはこれまでに、ウシ水晶体被包から精製した7Sドメインがウシ胎盤性プロラクチン関連タンパク質-Iと親和性を有することを示して来たが、胎盤由来の7SドメインとPRP-Iとの親和性を検討したところ、PRP-Iは水晶体被包由来7S同様、胎盤由来7Sドメインにも親和性を示した。胎盤由来7Sドメインは、還元条件の分取電気泳動で約34kDaの単一バンドとして精製されたにもかかわらず、保存中に会合体が順次形成された。この会合体はSDS電気泳動上で約70-300kDaの範囲でスメア状に観察され、多量体の増加とともに34kDaの単量体は減少した。この会合は2-メルカプトエタノールによる還元反応では解離しなかった。昨年作成した抗7Sドメイン抗体は、単量体とともに会合体も認識した。末梢循環血中における7Sドメインは会合体として存在すると考えられるので、本研究で作成した抗体は、血中7Sドメインの免疫測定に使用できることが示唆された。 今年度から、ウシの血清サンプルの採取に着手した。これは次年度も継続する予定である。免疫測定系の確立は、7Sドメインのユーロピウム標識の条件検討に着手した。7Sドメインは疎水性が強いために緩衝液への溶解度が低く、容易に凝集してしまうために、標識反応系のpHや各種界面活性剤の効果について検討中である。来年度はユーロピウム標識した7Sドメインをトレーサーとして、第二抗体固相法による非放射性免疫測定法を樹立し分娩後のウシ末梢血中の7Sドメイン濃度の検索を実施する予定である。
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