1.茨城県北茨城市(北茨城試験地)において、研究を行うための試験区を設定した。すなわち、長期間採草が停止された結果、ススキまたはササが優占している採草地で、(1)晩秋〜初冬に草刈りを行う区(冬刈り区)、(2)夏に草刈りを行う区(夏刈り区)、(3)晩秋〜初冬と夏の両方に草刈りを行う区(夏・冬刈り区)、(4)草刈りを再開しない区(放棄区)の4種類の実験区を2反復ずつ設定した。各区の面積は500平方メートルとし、このうち冬刈り区(2反復分)と夏・冬刈り区(2反復分)において2006年11月下旬に草刈りを実施した。刈り取られた草は試験区の外に持ち出した。 2.茨城県常陸太田市(常陸太田試験地)において、草刈放棄後の経過年数の異なる調査区を選定するための予備調査を行った。調査区数は現在も毎年草刈している場所を含めて、5区程度になる予定である。 3.調査地を含む茨城県全域おける希少チョウ類の分布を把握するために、過去の文献資料を収集した。当該調査地付近は茨城県の中でも、記録されているチョウ(全体)の種数が最も多い地域であることがあらためて明らかとなった。 4.これまでに研究代表者によって蓄積されている両調査地のチョウ類標本の整理を行った。
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