• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

酸化ストレスによる癌細胞浸潤促進への細胞膜マイクロドメインの関与

研究課題

研究課題/領域番号 17580296
研究機関東京農工大学

研究代表者

三浦 豊  東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (10219595)

キーワード浸潤 / 酸化ストレス / マイクロドメイン / 肝細胞増殖因子 / 細胞遊走 / c-met / インテグリン
研究概要

本年度は低酸素培養による浸潤抑制機構について詳細な解析を行った。まず低酸素培養の細胞内活性酸素種量への影響を詳細に検討したところ、1%酸素で3時間培養すると細胞内活性酸素種量は顕著に低下し、低酸素培養をさらに継続してもそれ以上の低下は観察されなかった。またその際の浸潤能を測定したところ、低酸素条件で3時間培養することで浸潤能は対照の約60%にまで有意に低下し、低酸素培養時間を長くしても更なる低下は観察されなかった。この結果はAH109A細胞には低酸素誘導因子(HIF)が存在していないことを示唆している。次に低酸素培養による浸潤能低下機構を明らかにするため、AH109Aを低酸素条件(1%酸素、3時間)で培養後、腸間膜由来中皮細胞層上に播種し、2時間後に中皮細胞層に接着している細胞数を測定したところ、接着能の低下は観察されなかった。またHGF分泌量にも変化がなく、低酸素培養による浸潤能低下には細胞接着能とHGF遺伝子発現の変化は関与していないことが明らかとなった。次にHGF受容体であるc-metの発現量に対する低酸素培養の影響を解析したところ、低酸素培養条件下においてもc-met発現量は対照群と差がなく、低酸素培養による浸潤能低下にはHGF-c-met経路の量的変化は関与していないものと結論された。最近の研究によりc-metが細胞遊走能を調節する際にはインテグリンと複合体を形成することが必須である、つまりc-metの質的な変化が重要であると報告されている。AH109Aにおいてはインテグリンα5β1が主要なインテグリンであり、インテグリンα5β1は細胞膜マイクロドメインに局在していることを確認した。従って、低酸素条件下ではc-metとインテグリンの複合体形成能とマイクロドメインへの局在が変化し、浸潤能が低下しているものと予想されるが、この点については今後詳細に検討する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Restoration by dietary glutamine of reduced tumor necrosis factor production in a low-protein-diet-fed rat model.2007

    • 著者名/発表者名
      W.Komatsu, et al.
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem. 71・2

      ページ: 352-357

  • [雑誌論文] Possible involvement of calcium signaling pathways in L-leucine-stimulated protein syunthesis in L6 myotubes.2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Miura, et al.
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem. 70・6

      ページ: 1533-1536

  • [雑誌論文] TRIM11 binds to and destabilizes a key component of the activator-mediated cofactor complex (ARC105) through the ubiquitin-proteasome system.2006

    • 著者名/発表者名
      H.Ishikawa, et al.
    • 雑誌名

      FEBS lett. 580・20

      ページ: 4784-4792

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi