研究課題
「光親和性ラベリング」は、標的タンパク質と親和性の高い化合物(リガンド分子)に光反応性基を導入した光親和性プローブを用い、標的タンパク質と架橋形成後、その複合体の解析を行なう方法である。また、「光親和性ラベリング」は標的タンパク質の同定だけでなく相互作用部位の情報の入手も可能とする有力な手段である。さらに、光親和性プローブのビオチンタグによる修飾は、ビオチンとアビジンとの高い親和性を利用した簡便なタンパクの検出や精製を可能とするが、リガンド分子に光反応性基やビオチンなどのプローブユニットを付与することで、標的タンパクとの結合活性が低下することも知られている。そのため、リガンド分子の結合活性を保持できるような適切なプローブの探索が重要となっている。現状では、最適なプローブを予想することは困難であるため、多様なプローブライブラリーを用いた探索が有力である。研究代表者は独自の合成方法論(Ns-Strategyと新規固相樹脂)により、リガンド分子に光親和性基とビオチンタグを同時にかつ簡便に導入できる新規固相樹脂の開発に成功した。この方法はプローブの合成に精製操作を必要としないことが特徴である。この方法を用いて、アルツハイマー病発症に重要なβアミロイド産出に関わるγセクレターゼの機能解析を行った。その結果、家族性アルツハイマー病の遺伝子解析より明らかとなったタンパク質(PS1 CTF)の検出に成功した。
すべて 2006 2005
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Synlett
ページ: 115
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