研究概要 |
すでに合成に成功している毒ガエルアルカロイ、ド231C,221Iおよびepi-193Eについて,脳内主要ニコチン受容体に対する抑制効果を検討したところ,231Cはα4β2-ニコチン受容体を選択的(α7に対して6-7倍)に抑制し,また221Iとepi-193Eは逆にα7-ニコチン受容体を選択的(α4β2に対して約6倍)に抑制することが判明した.これらの結果から,インドリチジン骨格の8位の側鎖(231C=Me,221I, epi-193E=Et)がニコチン受容体サブタイプ選択性に大きく関わっていることが明らかとなった. 一方,1,4位置換キノリチジンタイプの毒ガエルアルカロイド,233A,235Uおよび251AAの柔軟で効率的な最初のキラル合成にも成功した.さらに,これらのニコチン受容体抑制効果についても検討した結果,残念ながらこれらキノリチジンタイプのアルカロイドはいずれもα4β2-およびα7-ニコチン受容体に対して選択的抑制効果を示さなかった。これらの結果,および先に合成した同じ1,4位置換キノリチジン骨格を有するepi-207Iがα7-ニコチン受容体を選択的に抑制した結果から,本骨格においては4位側鎖(epi-207I=allyl,233A=4-pentynyl,235U=4-pentenyl,251AA=η-hexyl)が選択的なニコチン受容体抑制活性において重要であるという知見を得た。
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