研究概要 |
本年度は以下の4項目について検討を行った。1)シソ科植物Perovskia abrotanoideより得られたicetexane型ジテルペンを出発原料として、マイクロウェーブを用いるアナログの合成を行い、それらの細胞毒活性を評価した。更に、それらの構造と活性との相関を明らかにした。一方、昨年度見いだしたdemethylsalvicanol σ-quinoneからgrandioneへの生合成模倣型立体選択的二量化反応の理論的な考察を行った。2)シソ科Salvia leucantha、マキ科Podocarpus macrophyllusからの水系溶媒を用いた新規ジテルペン類の探索を行い、数種の新規ジテルペン類を見いだした。更に、得られたent-kaurene型ジテルペンであるexcisanin Aを原料にして、1,14-位水酸基に関するアナログ合成を進め、それらの細胞毒活性を評価した。一方、Rabdokunmin Cを原料として、NF-κB活性化阻害作用を指標にしたアナログ合成も行い、それらの構造活性相関を明らかにした。2)昨年度、リパーゼTL^<TM>を用いる光学分割反応により多量に合成したピペラジン酸の両鏡像異性体を用いて他のアミノ酸残基との縮合を検討し、環状ヘキサデプシペプチドGE3の環状コア部分の合成に必要な2つのトリペプチドフラグメントの合成を行った。3)グリセロール誘導体のリパーゼTL^<TM>を用いる光学分割反応を鍵反応として、癌細胞浸潤阻害活性リン脂質PHYLPAアナログのコア部分の不斉合成に成功した。4)パラジウム触媒を用いるヒドロキシエナミン類の酸化を経るインドール及びピロール類の簡易合成法の開発に成功した。
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