研究概要 |
標記の研究課題について下記のように実施した。 (1)神経細胞保護作用や5-lipoxygenese(5-LPO)阻害活性を有する多置換カルバゾールアルカロイドのlavanduquinocin(Streptomyces viridochromogenes 2942-SVS3)の全合成を目的とする。 アレン中間体を組込んだ6π-電子系電子環状反応を利用しカルバゾール骨格を合成したのち、リパーゼを使用した不斉アセチル化によりR-配置のアルコール体へ誘導した。現在、カルバゾールの6位への置換基導入を検討中である。また、本研究の一連の研究の中で得られたリパーゼを使用した不斉アセチル化を基にしたR-1-(2-hydroxypropyl)carbazoleの合成成果を論文として公表する準備を始めている。 (2)4,7-ジ置換インドールの合成ルートの確立 carbozomadurin AおよびB(Actinomadura madurae 2808-SV1)、epocarbazolin AおよびB(Streptmycesanulatus T688-8)の全合成を行うために必要な原料である4,7-ジ置換インドールの合成ルート確立を行う。その方法として、インドール合成として一般的に知られているFischerのインドール合成法あるいはHemetzberger-Knittel法を検討した結果、Hemetzberger-Knittel法を活用して全合成展開を図るための原料供給が可能なルートを確立することができた。 (3)1,3-ジ置換β-carboline構造のdichotomine A-DおよびdichotomideI-IIの全合成研究 抗アレルギー作用を有する1,3-ジ置換β-carboline構造のdichotomineA-Dおよびdichotomide I-IIの共通の基本構造である1,3-ジ置換β-carboline骨格合成の基礎検討を実施した。この基礎検討の成果を基に全合成への展開を図る予定である。
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