研究概要 |
1.Lavanduquinocinの合成研究:lavanduquinocinとcarquinostatin Aは、共通のコア構造の3-ethoxy-1-(2-hydroxypropyl)-2-methylcarbazoleを有する。その不斉合成において、リパーゼ触媒での不斉エステル化反応が高い光学収率を示した。次いで、(-)-alcoholと(+)-alcoholの絶対配置は改良Mosher法により、R-(-)-および(S)-(+)-alcoholと決定し、酸化過程を経てdescyclolavandulyl-lavanduquinocinの合成を達成した。 2.Carbazomadurin AおよびBの合成研究:Carbazomadurin AおよびBの合成は、アレン中間体を経由する6π-電子系電子環状反応により、1,2,3,5,7-pentasubstituted carbazoleを得ることができた。その1位ヘアルケニル基の導入に成功した。全合成の最終段階を検討中である。 3.Dichotomine A-Dおよびdichotomide I,IIの合成研究:aza-6π電子系電子環状反応により合成できたβ-carbolineの1位にビニル基を導入した1-EthenylcarbazoleにAD-mix-βを用いた不斉ジオール化を行い,(S)-(-)-dichotomine Cの最初の全合成に成功した。不斉ジオール化は、Sharpless則に反する結果であった。 4.Neurokinine 1受容体拮抗作用を有するCP-728663の全合成研究:2-quinolone部分を2-aza-6p電子系電子環状反応を活用して、2-quinolone体を合成できた。一方のpiperidine環は、L一グルタミン酸から出発し、目的の4-amino-2-ethyl-6-phenylpiperidineの最終段階を検討している。
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