研究課題
基盤研究(C)
比較的分子量の小さい分子の結合が開始シグナルとなるタンパク質相互作用ネットワークパスウェイの解析には、まず小分子-タンパク質間の相互作用を解析することが不可欠となる。しかしながら、従来のアフィニティー抽出法では非特異的吸着がしばしば問題となっていたことから、今回、リンカー部分にジスルフィド結合を導入したcleavable affinity gelを開発し、小分子結合タンパク質の特異的抽出法の構築を試みた。活性エステル化したアガロースゲルにシスタミンを作用させてジスルフィドリンカーを導入した後、デオキシコール酸(DCA)を固定化した。ジスルフィドリンカーの還元的切断条件を検討し、さらに切断反応時のタンパク質立体構造への影響を精査した後、抗DCA抗体を含むマウス腹水中の結合タンパク質の抽出を試みた。SDS-PAGEによる分離後、質量分析法により解析した結果、血清アルブミン及び抗DCA抗体のH鎖、L鎖が濃縮されたことが判った。次に、ラット脳内の胆汁酸結合タンパク質の解析を試みた。Wistar系雄性ラット脳を大脳、中脳、小脳、脳幹、海馬及び下垂体に分けた後、可溶性画分を調製した。ケノデオキシコール酸(CDCA)を固定化したcleavable affinity gelを用いて結合タンパク質を抽出した後、SDS-PAGEに付した。その結果、共通して3種のタンパク質バンドが濃縮され、それらはa-、β-チューブリン、β-アクチン及び14-3-3タンパク質であることが判明した。さらに下垂体試料から他に2種のバンドが認められ、それぞれ血清アルブミン及び成長ホルモンであることが明らかとなった。血清アルブミンは胆汁酸のキャリアータンパク質であり、下垂体門脈血から抽出されたものと思われるが、これが特異的に抽出されたことを考え合わせると、CDCAがこれらタンパク質と脳内で結合することが強く示唆された。
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