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2005 年度 実績報告書

細胞外マトリックス・テネイシンXの総合的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590048
研究機関北海道大学

研究代表者

松本 健一  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202328)

研究分担者 有賀 寛芳  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20143505)
キーワード細胞外マトリックス / テネイシン / 癌 / コラーゲン線維形成 / 脂肪酸
研究概要

細胞外マトリックス(ECM)であるテネイシンX(TNX)の生体内機能として、コラーゲン線維形成への関与が提唱されている。本研究では、TNXに結合している糖鎖のコラーゲン線維形成に及ぼす機能について検討した。まず、TNXの精製を、マウス血清及び各臓器よりおこない、その糖鎖の分析を行った。
精製した血清型TNXおよび間質型TNXの糖鎖の有無を、過ヨウ素酸を用いた検出反応により調べた。その結果、両者ともに糖鎖の付加を受けていることが明らかとなった。次に、両者の糖鎖構造の違いを、各種レクチンを用いたブロット解析により調べた。その結果、数種のレクチンにおいて各臓器由来の間質型および血清型TNXの反応性に相違が見られた。脾臓由来のTNXには、N型糖鎖のみの付加だが、腎臓及び肝臓由来のTNXには、N型糖鎖のみならずO型糖鎖の付加も見られた。また血清TNXは、複合型タイプのN型糖鎖のみ持つことが明らかとなった。また、α2-6結合によるシアル酸の付加が血清型およびすべての間質型TNXの末端のGalに見られ、一方糖鎖の根幹部に位置する5糖構造へのフコースの付加は、間質型TNXのみに見られた。さらには、脾臓TNXのトリプシンやI型コラーゲナーゼによる消化実験により、TNXに存在する6つのN型糖鎖付加推定部位のうち、ヘプタッド領域に存在するAsn29には糖鎖の付加は無く、またAsn3465の部位には、末端にN-アセチルグルコサミン残基を持つWGAレクチン反応性のある糖鎖の付加が明らかとなった。興味深いことに、血清型TNXはこのAsn3465部位を持つにも関わらず、WGAレクチン反応性を持たないことが明らかとなった。
現在、未変性条件下でのN-グリコシダーゼF、O-グリコシダーゼによる糖鎖除去条件を検討しているところで、条件が定まりしだい、TNXの糖鎖のコラーゲン線維形成に及ぼす影響を調べる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Mitochondria-independent induction of Fas-mediated apoptosis by MSSP.2005

    • 著者名/発表者名
      Jun Nomura
    • 雑誌名

      Oncology Rep. 14

      ページ: 1305-1309

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Positive regulation of Fas gene expression by MSSP and abrogation of Fas-mediated apoptosis induction in MSSP-deficient mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Jun Nomura
    • 雑誌名

      Exp.Cell Res. 305

      ページ: 324-332

  • [雑誌論文] Transcription regulatory complex including YB-1 controls expression of mouse matrix metalloproteinase-2 gene in NIH3T3 cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Matsumoto
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull. 28

      ページ: 1500-1504

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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