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2006 年度 実績報告書

細胞外マトリックス・テネイシンXの総合的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590048
研究機関北海道大学

研究代表者

松本 健一  北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (30202328)

研究分担者 有賀 寛芳  北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20143505)
キーワード細胞外マトリックス / テネイシン / 血清型 / コラーゲン線維形成 / 接着活性
研究概要

我々は、細胞外マトリックスでテネイシンファミリーに属するテネイシンX(TNX)を同定して以来、その生体内での機能解明を目指し研究を行ってきた。これまでの解析により、TNXは脳以外の全ての組織の間質に存在し、コラーゲン線維形成の制御に関与することを明らかにした。本研究補助金の支援により、我々はTNXが組織の間質のみならず、血清中にも多く存在することを明らかにした(Matsumoto et al.,2006)。血清型TNX(sTNX)は、プロテアーゼによる、細胞間に存在する分子量約450kDaの間質TNX(iTNX)の切断により生じ、sTNXはiTNXのC末端領域、約200kDaを持つことを明らかにした。現在、組み換え体sTNXを培養細胞に大量に発現させ、sTNXを精製し機能の同定を進めている。また同時に、sTNXの生成に関与しているプロテアーゼの同定を、切断点を含む組み換え体タンパク質を作成し進めている。
また、生体よりアフィニティークロマトグラフィーにより容易にiTNXを精製できる方法を開発した。得られたiTNXを用いて、その生物活性を明らかにした。iTNXの細胞接着活性を調べたところ、L細胞に対して接着活性を全く示さないことが明らかとなった。また、iTNX上の細胞においては、強い接着活性を持つフィブロネクチン(FN)やI型コラーゲン(Col I)への細胞接着時に見られる、細胞内のアクチンストレスファイバーや接着班を、観察することができなかった。さらに、iTNXのコーティングにより、細胞接着によるシグナルにより活性化(リン酸化)されるfocal adhesion kinase(FAK)のリン酸化は、殆ど起こらなかった。このことより、iTNXは、テネイシンファミリーに属する他のメンバーであるテネイシンCと同様に、L細胞に対しては、接着活性を有しないことが、明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Distinct glycosylation in interstitial and serum tenascin-X.2007

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Kinoshita
    • 雑誌名

      Biol. Pharm. Bull. 30

      ページ: 354-358

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 細胞外マトリックス・テネイシンファミリーの生理機能2007

    • 著者名/発表者名
      松本健一
    • 雑誌名

      バイオ・ナノ成果本.(北海道大学出版会) (印刷中)

  • [雑誌論文] Characterization of serum tenascin-X in mice2006

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Matsumoto
    • 雑誌名

      DNA and Cell Biol. 25

      ページ: 448-456

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] テネイシンファミリーの分子進化2006

    • 著者名/発表者名
      松本健一
    • 雑誌名

      生体の科学 医学書院 57

      ページ: 446-448

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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