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2006 年度 実績報告書

新規RNAヘリカーゼD1の研究を通じた高等真核生物のゲノム安定性維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590057
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

浴 俊彦  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40192512)

キーワードヘリカーゼファミリー / 線虫 / RNA干渉 / 染色体安定化 / 生殖細胞形成 / Dicer様タンパク質
研究概要

ヘリカーゼファミリーは核酸やクロマチンの動態制御に中核的な役割を果たしているATPaseタンパク質群であり、生物種で広く保存されている。ヘリカーゼ遺伝子群を体系的に網羅し、新規遺伝子の機能を解明することは、遺伝情報の保存・発現の制御機構を理解する上で重要である。我々はRNAiを用いた線虫ヘリカーゼの網羅的機能解析より、機能抑制線虫のX線照射感受性が昂進される新規遺伝子D1を初めて発見した。今年度は、D1遺伝子について、D1機能抑制線虫の卵巣における染色体動態の異常を詳細に検討するとともに、二重RNAiによる減数分裂関連遺伝子(spo-11,rad-51)との遺伝的相互作用の有無について検討した。さらに酵母two-hybrid法を用いて、D1タンパク質と相互作用する可能性のある8種類のDNA修復タンパク質群(RAD-51,RAD-50,MRE-11,HUS-1,MRT-2,CHK-2,HPR-17,COH-2)、および4種類のRNAi関連タンパク質群(VIG-1,ERI-1,ERI-3,TSN-1)との相互作用の有無について検証を行った。
その結果、(1)D1遺伝子の機能抑制によって、卵母細胞の染色体分離が阻害されていることを明らかにした、(2)二重RNAi法の詳細な検討を行い、D1遺伝子はspo-11の下流では機能していないことを示すデータを得た、(3)検討した12種の線虫タンパク質とD1タンパク質との間にタンパク質間相互作用は認められなかった。最近、D1タンパク質については、RNAiを発見したMelloらのグループによって、RNAiに必須なDicerと相互作用するタンパク質のひとつ(DRH-3)として同定された。その結果、RNAiの機能抑制が染色体分離異常を引き起こしていることが明らかとなり、本研究ではその分子機構の解明に向けて新たな研究展開を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Shortened lifespan of nematode Caenorhabditis elegans after prolonged exposure to heavy metals and detergents2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Harada, Masaru Kurauchi, Rie Hayashi, Toshihiko Eki
    • 雑誌名

      Ecotoxicology and Environmental Safety 66(3)

      ページ: 378-383

  • [雑誌論文] Deficiency of the Caenorhabditis elegans DNA polymerase η homogue increases sensitivity to UV radiation during germ-line development2006

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Ohkumo, Chikahida Masutani, Toshihiko Eki, Fumio Hanaoka
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function 31(1)

      ページ: 29-37

  • [図書] ポストゲノムの分子生物学入門

    • 著者名/発表者名
      浴 俊彦
    • 出版者
      講談社サイエンティフィク(印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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