研究課題
基盤研究(C)
胚発生過程で発現する新規18kDaPHGPxは非還元条件下では、複合体形成をしていることを見いだした。5'RACE法により、7.5日胚では20kDaPHGPx以外にこれまで報告のないIbエクソンの途中からはじまるmRNAを検出した。このmRNAからは理論上、第二エクソンのATGから18kDaPHGPxが産生する。GFP融合タンパク質を作成したところ、このATGは翻訳開始点として利用されることが明らかとなった。PHGPxのKO胚のIn vitro受精卵培養系を構築したところ、3.5日Wild受精卵では7日めまでにICM形成が見られたのに対し、KO受精卵では培養3日めから致死になり、7日めに消失した。この実験系に脂質過酸化を抑制するビタミンEやトロロックスを添加し培養したところ、致死が抑制された。また非ミトコンドリア型PHGPxの遺伝子導入によっても致死がレスキューされた。受精卵のICM形成過程では脂質過酸化消去が重要であること、非ミトコンドリア型が重要であることが明らかとなった。また、個体レベルでの発生過程でのPHGPxの機能を明らかにするために、トランスジェニックレスキュー法の開発をおこなった。正常なPHGPxゲノム遺伝子をマウスに導入すると、内在性のPHGPxがKOであるマウスが産まれ、KOによる致死がレスキューできた。一方、3つのタイプのPHGPxの開始コドンにすべて変異をいれたPHGPxゲノム遺伝子では、レスキューできなかったことから、胚発生過程では既知の3つのタイプのPHGPxが重要な役割を担っていることが明らかとなった。胎盤に存在する30kDaのPHGPxは還元剤処理により20kDaに変化したことから、非ミトコンドリア型PHGPxと10kDaの未知のタンパク質の複合体であることが明らかとなった。さらにこの複合体は2量体を形成していることが明らかとなった。
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