研究課題/領域番号 |
17590092
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研究機関 | 共立薬科大学 |
研究代表者 |
増野 匡彦 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (90165697)
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研究分担者 |
中村 成夫 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (00264078)
高橋 恭子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (90255381)
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キーワード | フラーレン / HIV逆転写酵素阻害 / がん細胞増殖抑制 / C型肝炎ウィルス増殖抑制 |
研究概要 |
1.HIV逆転写酵素阻害活性の高いピロール型フラーレン誘導体のデザインと合成 フラーレン骨格に結合したピロール環に3つのカルボン酸を有する誘導体(1)をリード化合物としてカルボン酸の数と位置を変えた様々な誘導体を合成し、HIV逆転写酵素阻害活性を検討した。その結果ピロール環2、5位の2ヵ所にカルボン酸を有する誘導体(2)の活性が1よりも高く、カルボン酸を1つにすると活性が低下することが明らかとなった。誘導体(2)についてHIV逆転写酵素とのコンピュータードッキングシミュレーションを行い、同じくHIV逆転写酵素阻害剤であるネビラピンと比較した。これよりカルボン酸のうち1つはアルキル基の方が有利であることが示唆され、今後、1つのカルボン酸をエチル基、プロピル基に置換した誘導体の合成を行うことにした。 2.スルホニウム型フラーレン誘導体の合成と活性評価 HL60細胞を用いて昨年度合成した2種のスルホニウム型フラーレン誘導体の増殖抑制効果を検討したところ、従来のピロリジニウム型誘導体より活性が低かった。この結果から抗がん剤ではなく抗ウィルス剤としての可能性を検討する必要性が明らかとなった。 3.C型肝炎ウィルス増殖抑制効果 新たに開発されたC型肝炎ウィルス増殖抑制効果検討法を用いて様々なフラーレン誘導体の効果を検討した。その中で、ピロリジニウム型誘導体に高い活性があった。しかし、ピロリジニウム型誘導体の細胞毒性が高いため、これをリード化合物として細胞毒性の低い誘導体の探索を行う。
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