研究課題
本研究では、核内レセプター変異疾患に対する薬物の分子設計と合成をおこなう。特に、ビタミンD受容体機構異常症(特定疾患)の治療薬の開発を目的とする。つまり、異常レセプターに結合する救済型リガンドを設計することである。さらに、ここでの方法論を、他のレセプター異常症治療薬の開発に応用する。リガンドの設計は、レセプタータンパクの3次元構造に基づきコンピュータモデリングにより行う。天然型の活性ビタミンD_3では3つの水酸基がレセプターと2つずつ合計6つの水素結合を形成している。変異型ビタミンDレセプター(VDR)は、274のアルギニンがロイシンに変異しているので天然型の活性型ビタミンD_3の1位の水酸基と水素結合を作れず、親和性が低く、遺伝的くる病が起きる。そこで昨年度までに、2位に水酸基をもつアルキル基(アンカー部)を導入し、142のトレオニンと水素結合を形成し、レセプターとの結合を強める分子の設計を行い、合成を行った。実際、変異レセプターとの結合能を調べたところ、天然体リガンドより数倍増強した。今年度は、セコステロイド骨格を持たない、ノンセコ型リガンドを設計し、合成を行った。変異レセプターを用いて、転写活性を調べたところ、天然体リガンド(活性型ビタミンD3)より高い活性を示した。
すべて 2006
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