研究課題/領域番号 |
17590102
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉原 数美 広島大学, 医学部, 教務員 (20271067)
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研究分担者 |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 助教授 (20243602)
太田 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
北村 繁幸 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40136057)
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キーワード | 医薬品 / 環境汚染 / 病院下水 / 下水処理 / 生態影響 |
研究概要 |
近年、環境汚染物質として医薬品、ヒト・家畜から排泄されるホルモン類、化粧品、抗菌剤など人間活動で日常使用されている化学物質が注目されている。これらによる河川、湖沼など環境水の汚染が世界各地で報告され始めている。これは屎尿、家庭排水などに含まれるこれら物質による環境汚染が、人口の増加、生活水準の向上により軽視できないレベルになってきていることを意味している。我が国は医薬品消費量が世界第2位で、老齢人口の増加もあり今後さらに増加していくと予想される。それに伴い、病院排出下水および在宅治療者の屎尿を経由して排泄される医薬品による環境汚染は今後大きな問題になると予想される。特に医薬品は生理活性を目的とする化合物であり、微量の汚染でもヒトに対してだけではなく生態系へも大きな影響を及ぼすことが懸念される。そこで、本研究では汚染実態とそれによる生態影響について、主に病院排出下水をターゲットとして調査研究を行っている。本年度は、病院排出下水より、消毒薬、解熱鎮痛剤などの医薬品をLC/MSで定量するとともに、メダカ、ミジンコを用いた生物毒性試験を行い、病院下水中に医薬品類が多量に含まれていることを明らかにした。更に、病院の購入医薬品量と排出量のマスバランスを計算しリスク評価を行っている。
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