研究課題/領域番号 |
17590125
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高野 幹久 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (20211336)
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研究分担者 |
永井 純也 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20301301)
湯元 良子 技術センター, 技術班長 (70379915)
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キーワード | 肺胞上皮細胞 / エンドサイトーシス / インスリン / クラスリン / カベオラ / アルブミン |
研究概要 |
本年度は、ラット由来培養II型肺胞上皮細胞RLE-6TN及びラット肺胞II型上皮細胞を用い、インスリン及びアルブミンの取り込み機構について解析し、以下の結果を得た。 1.RLE-6TN細胞におけるFITC-インスリン取り込みは、温度依存性、エネルギー依存性を示すこと、その取り込みはエンドサイトーシスによるものであり、一部クラスリンが関与するがカベオラやマクロピノサイトーシスは関与しないことを明らかにした。 2.共焦点レーザー顕微鏡およびSDS-PAGE/フルオロイメージアナライザーを用い、RLE-6TN細胞内に取り込まれたFITC-インスリンは、一部リソソームへ移行し、分解されることを明らかにした。 3.ラット肺よりII型上皮細胞を効率よく単離精製し初代培養するための条件を設定した。 4.ラット肺胞II型上皮細胞の初代培養系を用い、アルブミンの取り込みについてRLE-6TN細胞と比較解析した結果、いずれの細胞でもクラスリン介在性エンドサイトーシスにより取り込まれることを明らかにした。 5.アルブミンレセプターの同定を目指し、RLE-6TN細胞の粗膜画分を用いてligand blottingを行ったところ、FITC-アルブミンに結合する複数のタンパク質の存在を認めた。 今後はII型とI型上皮細胞における各種タンパク質の輸送活性や関与するレセプターを比較解析し、タンパク質医薬の新たな経肺投与ドラッグデリバリーシステム(DDS)の構築に向けてさらに検討を進める。なお、レセプターのリガンド認識機構に関する基礎的知見を得るため、メガリン(レセプター)とそのリガンドの相互作用を解析し、リガンド中の塩基性アミノ酸配列、αヘリックス含量などがメガリンによるリガンド認識に重要であることを明らかにしたので、これらの情報も経肺投与DDSの開発に活かしていく予定である。
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