研究課題/領域番号 |
17590130
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 純三 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30115901)
|
研究分担者 |
西田 孝洋 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237704)
麓 伸太郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70380988)
中嶋 幹郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00260737)
|
キーワード | 薬学 / 癌 / 遺伝子 / 制癌剤 / 肝臓 / 5-fluorouracil / 薬物送達 / DDS |
研究概要 |
遺伝子治療は、将来の医療の主要な技術として、癌等の後天的な難治性疾患に対する有効な治療法となることが期待されている。臨床において治療効果を発揮するためには、標的臓器への十分な治療用遺伝子の導入が必要である。これまでに、肝臓表面からの直接的な吸収を利用することで、肝臓の特定部位へ薬物を選択的に送達できる司能性を世界で最初に示してきた。そこで肝臓の特定部位への選択的な新しい遺伝子導入法として、プラスミドDNAの肝臓表面への直接投与の発想に至った。本研究では、肝臓表面からの吸収を利用した癌病巣部位への癌抑制遺伝子等の遺伝子医薬品の選択的集積と滞留性の向上を目的として、肝臓表面投与法が、全身並びに肝臓内の非病巣部位に副作用をもたらすことなく、癌病巣部位のみで制癌効果を発揮する有用な癌化学療法となりうることを明らかにしたい。 マウスにおいて、プラスミドDNAの肝臓右中葉表面への微量滴下投与により、肝臓並びに肝臓投与葉選択的遺伝子発現が認められたが、肝臓非投与葉や横隔膜での遺伝子発現もみられた。一方、従来の投与方法である静脈内投与および腹腔内投与では、いずれの組織においても遺伝子発現は認められなかった。更に微量注入装置を用いて持続的に微量滴下したところ、肝臓投与葉特異的な遺伝子発現がみられた。これらの研究成果は、肝臓癌に対する新しい遺伝子送達法の確立のための基礎的知見となり、将来の臨床適用が期待される。
|